小豆島には、海にまつわる昔話が残っています。

その中から大船主の物語を紹介しましょう。


イメージ 1

昔 二面(ふたおもて)の村に、
塩屋金八という大船主が住んでいました。
金八は瀬戸内海を股にかけ海運を営み
底をつくことのない膨大な財産を貯えておりました。

イメージ 2
ある時 美しい妻が
わたしたちの全部の船に、家の財宝を一度に積こみ船出したら、
どんなに楽しくすばらしい光景でしょう
と 夫に頼みました。
そこで成金ものの夫は
「お前の望みとどおりしよう」
と正月の朝に船出することになりました。

イメージ 3
しかし 世の中には、運の悪いこともあるものです。
空が一転にわかに曇り 大嵐となり
持ち船も財宝も 一瞬にして
海のもくずと消えましたとさ。

イメージ 4

誓願寺の山門の柱は、難破船のものが使われていると伝えられています。

この大きな蘇鉄も、江戸時代に九州から廻船が持ち帰ったもののようです。

海を股にかける大船主の痕跡が残る二面の集落です。


2枚目の写真は、大阪南港「海の時空館」の実物大の千石船「浪速丸」です。