
昔 二面(ふたおもて)の村に、 塩屋金八という大船主が住んでいました。 金八は瀬戸内海を股にかけ海運を営み 底をつくことのない膨大な財産を貯えておりました。

ある時 美しい妻が わたしたちの全部の船に、家の財宝を一度に積こみ船出したら、 どんなに楽しくすばらしい光景でしょう と 夫に頼みました。 そこで成金ものの夫は 「お前の望みとどおりしよう」 と正月の朝に船出することになりました。

しかし 世の中には、運の悪いこともあるものです。 空が一転にわかに曇り 大嵐となり 持ち船も財宝も 一瞬にして 海のもくずと消えましたとさ。
2枚目の写真は、大阪南港「海の時空館」の実物大の千石船「浪速丸」です。
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