昨年は伊吹と粟島の島巡礼に参加。袋に入りきらぬような接待の品々を持ち帰る人たちを横目に、来年こそはと「リベンジ」に燃える我が配偶者。今年の島巡礼の日程に合わせて仕事のスケジュールも組んである力の入れよう。今年のスケジュールは以下の通り
3月31日(金) 本島4月15日(金)~17日(日) 伊予大島4月17日(月) 広島4月27日(木) 伊吹島4月29日(土) 粟島
まずは、今年最初の島巡礼となる本島に出向くことになった。
天気予報は9時頃から雨、気温は前日より10度近く下がり、2月下旬の冷え込みになるという。が寒さにめっぽう弱い配偶者が、やめようとは云わない。それならばと準備を整え、はやる気持ちを胸に丸亀港を目指す。港の近くの市営駐車場はガラガラ。スンナリ駐車でき、往復1100円の切符を握りしめて7:40分の本島行フェリーに乗り込む。すでに客室に入れないほどの巡礼者で埋まっていた。
本島行きフェリー乗場(丸亀港)
おもいおもいのスタイルで本島をめざす。自転車を持ち込む人も
春風陽光の中、桜の花を眺めながらのんびりと島時間を体感しながらの島遍路という思惑とはちがってきていることを、甘く見ていた我々であった。
外の温度は4度、冷たい風を避けながらデッキで30分の船旅を楽しむ?(耐える)
本島港に着くと、港に案内テントが立ち、地図が配布され、フェリーで到着した人たちは瞬時の内に逃散した。みんな同じ方向に向かうものとおもっていたので少々当惑。何回も巡礼を行っている経験者や、島出身者の方の「故郷帰り」のついでも多いようだ。
本島港
小雨の中、フェリーから急ぎ足で下船していく巡礼者たち
小雨の中、フェリーから急ぎ足で下船していく巡礼者たち
人影が少なくなったフェリー乗り場に「レンタサイクル」の看板を発見。乗り場には、多くの自転車が残っている。竹富島でレンタサイクルのお世話になった配偶者は、これがええ」と指さす。昨年の粟島と同じ、歩き遍路からサイクル遍路に転身。
本島で借りた自転車
雨がぽつぽつと落ちてくる中、雨具を着てスタート。まずは一番札所を目指す。1番から6番までは島の東北部の街並み保全地区である笠島周辺にあるようだ。地図を見ながら道標と登りを頼りの巡礼オリエンテーションサイクルの開始である。
塩飽勤番所の前を通過し
最初の接待所は山根地区の文化センター(公民館?)の番外お接待所。
建物入口横に臨時の参拝所が設けられている。昨年の教訓から
「我々はものもらいではない、へんどではない。あくまでも巡礼参拝者である。だから接待所では、せめて賽銭と般若心経を上げよう」
ということで配偶者と意見が一致。まずは、礼拝。
読響が終わるのを待っていたかのように「お接待どうぞ・・」の声がかかり、テーブルにつく。ここでは手作りの赤飯と「こんこ(沢庵漬」が振る舞われた。「どこからきたんな」という挨拶から始まり、いろいろな話題に話が移る。
本島で感じたのは、地域全体で手作りの接待準備が行われているということ。市販の菓子やジュース等もあったが、手作りの赤飯を頂いた所も多かった。「昼飯前」に赤飯を頂き一番札所を目指す。
坂の上の長徳寺
遠見山展望所に続く急登を自転車を押して登る。
配偶者は「これなら電動自転車にしといたら好かった」と呟く。
しかし、それもわずか5,6分で長徳寺は見えてきた。
長徳寺
下から見ると石垣の上に立つ砦のような印象を受ける境内。
一番に目につくのはモッコクの巨木。枝を伸びやかに一杯に広げた姿が見ていて気持ちいい。参拝を済ませ、ここでも接待を受けて境内を散策する。
お堂には藤原期の仏像が開示されている。
長徳寺本尊
この島は、瀬戸内海交通の要衝として早くから九条家の荘園となり、その縁で土佐流刑に処せられた法然が立ち寄るなど、人と物と富の大動脈として資本蓄積も進んだ島であった。そのため古くからの寺院も多く、文化財に指定されている多くの仏像が残る。しかし、参観できるのは島遍路の行われるこの日だけという寺院も多い。この日に参拝すれば、普段は見ることの出来ない仏達に出会えることも、本島巡礼の楽しみの一つかもしれない。
雨が本降りになりだした。しかし、巡礼は始まったばかり。さてどうなることやら。