今回はいよいよ高越山山頂の高越寺を目指します。前回の中ノ郷徘徊を終えて、県道248号にもどって舟窪つつじ園へのつづら折れの道を登っていきます。標高差800mあまりの山道を原付バイクはあえきあえぎ登っていきます。がんばれがんばれと応援しながらの山道走行です。途中の「天狗の湧水」で水分補給のために小休止。
 高越山から奥野井山にかけては、修験者の痕跡が色濃く残るところです。権現と名付けられた山々が続き、母衣暮露の滝などの行場も各地に残ります。このあたりが阿波修験道の中心であったというのがうなづけます。

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舟窪ツツジ園からの稜線上の峰峰には「権現」が開かれています。今では、修験者の修行エリアであったことをしめす「道しるべ」でもあります。この林道をたどっていくと迎えてくれるのが・・
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立石峠
 立石峠です。ここには大きな石が立てられています。これが立石峠の謂われのようです。これも自然石と云うよりも修験者達が目印のため、行の一環として行ったとも言われます。東側の木々が刈り払われ、展望がきくようになっています。ここからの展望は素晴らしい。お気に入りのテーブルでおやつです。
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立石峠から高越寺の駐車場まではわずかです。
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高越山駐車場
広い駐車場には誰もいません。ここで足ごしらえをして、高越寺までは約20分程の登山道を歩き出します。
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まず、大きな山門が迎えてくれます。
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巨岩の下には、石仏や祠が安置されています。ここも行場だったようです。

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「やくしだけ」の行場と薬師如来
ここにも断崖の下に石仏が安置されています。説明版には次のように記されています。

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高越山の「やくしだけ」説明版
ここには薬師如来と十二神将が祀られていることが記されています。
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高越山の行場「やくしだけ」の薬師如来
合掌していつものように念じて、廻りを見回しますが十二神将は見当たりません。少し下がってもう一度見上げると・・
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高越山の行場「やくしだけ」の薬師如来と十二神将と鎖
瀧(断崖)の上に向かって、鎖が伸びています。その上に十二神将の一人が見えて来ました。この瀧が「やくしだけ」と呼ばれる行場のようです。

高越山 薬師鎖場
行場「やくしだけ」の鎖場
この鎖場に沿って十二神将は鎮座します。まさに行者たちの行を見守っているのです。そして鎖場のゴールに待ち受けているのが・・・
高越山行場薬師岳の最上部の不動明王
          高越山の行場「やくしだけ」の鎖場最上部の不動明王
鎖場の一番上には、行者達の守護神・不動明王が見守ります。このような行場が高越山の廻りにはいくつもあったようです。一つの行場を終えると、次の行場に向かい、行場を行道しながら修験者たちは
「修行(験を積む)」し、天狗になろうとしたのかも知れません。
 また、真言密教には金剛界と胎蔵界という二つの曼荼羅世界があるとされました。それは行場にも当てはまります。私は、高越山が金剛界で、奥野々山が胎蔵界であったのではと想像しています。そんなことを考えながら平坦なトラバース道の参道を歩いて行きます。歩きながら考えるというのも楽しいものです。
高越山地蔵菩薩

そして最後に登場したのが・・ 
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高越山参道の地蔵尊
高越寺の縁起としては一番古いとされる『摩尼珠山高越寺私記』(寛文五年(1665)には、
山上から18町下には「中江」(現在の中の郷)に地蔵権現宮、また「殺生禁断並下馬所」と記されています。中世の中ノ郷の宗教施設は、地蔵信仰であったようです。その影響がここにも現れているのかななどと、想像を膨らませます。
この地蔵尊を越えると、向こうに高越寺の鐘楼が見えて来ました。
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                        高越寺

高越寺山門5
高越寺山門
里(山下)の川田からの登山道は、この山門の正面につながります。駐車場からの道は、車社会になってからの裏参道です。そのため山門に横から入ることになります。山門を入ると迎えてくれる光景は・・
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                      高越寺
高越寺ワールドです。次回は。その建物群めぐりを行いたいと思います。最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
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