第17話 おわりに(愛する者へ) |
この『小豆島発夢工房通信』の『想遠』も今日でもって終わりにしたいと思う。 というのは、いくつか理由がある。 まだまだ書きたいことは山ほどあるが、 一つには、当初の目的である小豆島の紹介を、 『小豆島恋叙情』とこの『想遠』を通してほぼ終えたからである。 「瀬戸の島から」氏の粘り強い支えと、 このブログを読んでくださる皆様方の温かい声援の賜と、深く感謝している。 特に、「瀬戸の島から」氏の内助の功的な存在は、私にとって大きな励みであり、 また原動力になったことは言うまでもない。 持つべき者は同僚。 改めて感謝する次第である。 もう一つの理由は、これからも文章は書き続けていくことは間違いない。 しかし、自分を自由に泳がせておける空間は? と考えたとき、やはり「小説の世界」が私には一番性に合っている。 そう思うからである。 所詮は「架空の世界」であるが、現在の私の心の襞まで正直に吐露できる手段といえば、 やはり小説を書くということになってしまう。 ストイックに生き、文章を綴る。 また、クラシックを聴き、絵画を想う。 さらに四季折り折りの草花を愛す。 金がかからない贅沢な趣味と考えている。 ここで一つお詫びをしたい。 この『想遠』で、私個人のこと、私の家族のこと、私の友人のこと等々、 私的な話に終始したきらいがあったことである。 申し訳ない。 読んで戴いた方の中には、 「なんだ、てめえのことばかり書きやがる」と思われた方も多いと思う。 もう少しジェネラルな文章を書けばよかった、と反省している。 最後に、わがままついでにもう一言、言わして戴きたい。 「愛するものは自分の手で守れ。 家族、恋人、友人、ペット、私たちの住む地球。 何でもいい。 本当に大好きで、抱きすくめたいくらい愛しているのであれば、自分で守れ。 他人を当てにするな。 それが少なからず責任を全うすることだ」 残念ながら、私はかつてそれができなかった経験を持つ。 慚愧の念に耐えない。 今となっては遅いが……。 それでも多くの人に感謝している。 特に、私の家族。愛犬マル。それとコボ。 最後になりましたが、皆様の今後のご多幸とご活躍を小豆島の地よりお祈りいたします。 新たなる旅立ちに、ボンボヤージ! 「何? ボンクラおや~じ、だと?」 想遠! それじゃ! さようなら。 平成十九年八月二十一日 小豆島の賤家にて 鮠沢 満